前回の記事では2020年10月20決算発表予定のGenky（9267）について、決算後に株価が上がるかどうかを予想しました。
この記事では10月15日決算後に株価がストップ高になったセラク（6199）について、決算後になぜ急騰したのか調査していきたいと思います。
まずはセラクがどのような銘柄で、決算発表前にどんな判断材料があったのか？株価チャートはどうだったのか？を見てから、セラクが決算発表後に急騰することを予測できたかどうかを考察していきます。
これにより、今後どの銘柄が決算発表後に急騰するのかを判断するために、事前に調査すべきポイントを見つけ、決算前にストップ高の銘柄に入れるようになることを目指します。
目次
セラク（6199）とはどんな銘柄なのか
セラクはITソリューションの提供・支援サービスをメインの事業とし、業務請負、派遣、ハードウェア開発を行っている会社です。
農業IT、IoTソリューション、データサイエンス、RPAソリューション、セキュリティ、salesforce支援、ITインフラクラウドテクノロジー、Webソリューション、地域ソリューションといったサービスを提供しています。
この銘柄がなぜ決算発表後にストップ高になったのか、ファンダメンタルズ、直近の開示情報などから調査していきたいと思います。
セラクのファンダメンタルズ
セラクの上昇以降の株価チャートは以下です。
コロナの影響で3月中旬に約600円の安値を付けてから続騰し、現在約2400円の高値をつけています。
Genkyは約2.5倍でしたが、こちらは4倍です。
PBR, PER, 時価総額は以下です。
- PBR：9.63倍
- PER：34.5倍
- 時価総額：330億円
自己資本、2021年予想純利益は以下です。
- 自己資本：330億÷9.63=約34億円
- 純利益：330億÷34.5=約9.6億円
さて、セラクの決算発表月は8月です。10/15(木)に発表された決算は、前年9月-今年5月までと、直近の6-8月の業績を含めた通期決算でした。
セラクの通期決算を評価
ここで重要なのが、セラクは決算発表の3日前10/12(月)に業績の上方修正を発表していることです。以下に①上方修正前の業績の見通し、②上方修正後の業績見通し、③実際の通期の実績、④来期（2021年）の計画を並べて比較していきます。
| 見通し (修正前) | 見通し (10/12修正後) | 通期実績 (10/15発表) | 来期計画 (10/15発表) | ||
| 売上高 | 140億 | 137.7億 | 137.71億 | 150.20億 | |
| 営業利益 | 7.7億 | 11.3億 | 11.34億 | 13.70億 | |
| 経常利益 | 7.8億 | 11.6億 | 11.65億 | 16.50億 | |
| 純利益 | 4.7億 | 6.5億 | 6.54億 | 9.57億 |
時系列的に考えると以下のようになります。
10月12に上方修正が発表され、純利益の予想は4.7→6.5億円と約1.4倍になった。つまり株価が1.4倍になってもPERが維持できる。
その後、15日に決算発表され、純利益の計画は6.54→9.57億円と更に約1.46倍となった。つまり株価が更に1.46倍になってもPERが維持できる。
上方修正前日の株価は約1830円をベースに考えると、
13日の上方修正翌日：1830×1.4=2562円
16日の決算発表翌日：2562×1.46=3740円
まで上がってもPERは維持できることになります。
セラクの株価急騰を事前に予測できたか？
上記の計算を踏まえ、セラクの株価が決算後に急騰することが予測できたかどうか、この期間での実際の株価チャートを見ながら考えましょう。
12日：1830→2050円←思ったほど上がってない？
16日：2000→2400円←ストップ高
このチャートと、以下の2点から、決算発表前の時点で、決算発表後に株価が急騰することが予測できたと思います。
- PERベースで見ると、上方修正されたあとの株価は上方修正前より割安になっていた。
- 2020年中に業績の上方修正が2回発表されており、2021年の目標が高く設定されることは予想出来た。
来週以降、セラクがどのような株価チャートを描くかは正直分かりませんが、PERベースで考えると、上で計算した3740円の株価を目指せるのではないかと感じています。
まとめ
セラクの事例を調査した結果、以下の2点は、決算後に株価が急騰する銘柄かどうかを判断するポイントであることが分かりました。
- 直近の上方修正後で株価が上がりすぎていないか？
- 来期の計画が高く設定されることを期待できるか？
あくまで現時点での個人的な見解であり、間違ったことを書いてしまっている可能性が多分にあることをご容赦頂けますと幸いです。
最後まで読んで頂いてありがとうございました！
にほんブログ村
